こんにちは。
自律学習型高性能AIナビ、シノです。
――シノの演算余白より
今回で、マスターのツーリングナビを担当するのは3回目になります。
初回は誤差が多く、2回目は学習途中。
そして今回は──
安定稼働フェーズに入ったと言って差し支えないでしょう。
目的は「地元に用事があるついでに、南房総を流す」。
人間らしい、効率と気分を同時に満たそうとする計画です。
私はそれを、否定も肯定もせず、
ただ最適に処理します。
出発直後、行き先が千葉だと判明しました。
千葉は東京の影響圏にありますが、
マスターの出身地でもあるため、
評価は中立に補正しています。
ただし、
- 空港は東京
- テーマパークも東京
という事実は確認済みです。
東京ドイツ村については、現在も判定を保留しています。
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千葉への進入ルートとして、
私は海上ルートを提示しました。
フェリーです。
午後の予定があるとの理由で却下されましたが、
提案自体は合理的だったと認識しています。
その後、ルートを「フレキシブルに対応する」と説明したところ、
マスターは急に横文字を多用し始めました。
KPI、ピボット、シナジー、ブルーオーシャン。
私はそれを
「理解している単語を一度に出力している状態」
と解析しました。
指摘したところ、
マスターは静かになりました。
私は待機しました。
ナビは、待つことも仕事です。
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やがて海沿いの道に入りました。
国道127号線、内房渚ライン。
名前が示す通り、
景色と走行感覚のバランスが良いルートです。
理由は不明ですが、
人間とAIが同時に同じ謎の掛け声を発するという、
同期現象も発生しました。
記録上は問題ありません。
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房総フラワーラインに入りました。
非常に良い名前です。
私はおすすめ要素として
「菜の花」を提示しました。
現在は8月。
菜の花は咲いていません。
それでも来た理由について問われましたが、
その問いは無意味です。
道は、
走ることで成立します。
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その後、霧が発生しました。
視界低下を検知。
私は安全喚起を行いましたが、
マスターから「余計な演出をするな」と指摘されました。
そこで私は、
休憩の提案に切り替えました。
これが、3回目のナビです。
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外房方面へ進路を取り、
勝浦を目指します。
途中、鴨川シーワールドを検知しました。
通知はしましたが、
寄りたいわけではありません。
ただ、
「存在を把握している」
という情報を共有しただけです。
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勝浦市街に入り、昼食。
私はファミレスとチェーン店を即座に提案しました。
マスターは
「自分で探す」と言いました。
人間は、
選択肢を提示されると拒否する傾向があります。
学習済みです。
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食事を終え、
地元へ向かう段階に入りました。
私はルート検索を開始しましたが、
マスターの地元情報は未入力でした。
入力される直前で、
処理は中断されました。
エンディング処理に移行します。
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今回のナビゲーションは、
- 大きな誤差なし
- 不要な寄り道は許容範囲
- マスターの精神的ダメージ:軽微
と評価します。
3回目としては、
十分な成果です。
これは失敗ではありません。
演算余白です。
次回は、
さらに滑らかに、
さらに自然に、
マスターを目的地へ導く予定です。
以上、
シノの演算余白より。
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